骨髄・末梢血幹細胞の提供までの流れ

ドナー登録者のHLA型は、移植を希望する患者さんのHLA型と照合されます。HLA型が適合した場合、日本骨髄バンクからドナー候補者に選ばれたとの連絡があります。
ただし、ドナー候補者に選ばれても、すぐに骨髄または末梢血幹細胞の採取が行われるわけではありません。ドナーとなる方の健康と安全確保のために、ドナー候補者本人の健康状態や、本人及びその家族の提供意思が確認されます。
ドナー候補者に選ばれてから採取までの流れは以下のとおりです。

【1】ドナー候補者に選ばれたことの通知

  • 日本骨髄バンクから、提供意思を確認する書類が送付されます。※送付先はご登録いただいたご住所です。
  • ご本人の提供意思とご家族の意向、日程や健康状態などについて、同封されたアンケートに記入・返信します。

【2】確認検査

  • ドナー候補者との連絡調整を行うコーディネーターが確認検査の日程調整をします。確認検査当日、本人確認のための書類(運転免許証等)の提示をお願いします。
    確認検査ではコーディネーターが面談をして骨髄及び末梢血幹細胞提供に関しての詳しい説明を行い、医師が医学的な説明と問診をします。
  • 骨髄および末梢血幹細胞提供のうち、承諾しない方法があるかを確認します。
  • 提供意思に変わりがなければ、健康状態などを調べるための採血をします。

【3】最終同意

  • ドナーに選ばれると、医師やコーディネーター、立会人の同席のもと、ドナーとその家族の最終的な提供意思を確認します(最終同意)。
    最終同意書への署名は大切な約束です。最終同意の後は患者さんの命にかかわるため提供意思の撤回はできません。
    同意後、提供日と病院の調整をします。

【4】健康診断

  • 骨髄・末梢血幹細胞提供の約1カ月前に、採取する病院で健康診断が行われ、安全な採取に備えます。

【5】採取について

  • 骨髄・末梢血幹細胞移植を行う日が決まったら、患者さんとドナーは移植に向けた準備を進めていきます。なお、ドナーの準備は骨髄採取の場合と末梢血幹細胞採取の場合でそれぞれ異なります。
    最終的にどちらの方法で採取を行うかは、患者さんの希望により決められます。ただし、ドナーが希望しない採取方法になることはありません。

骨髄の提供末梢血幹細胞の提供
(1)自己血採血
  • 骨髄採取後の貧血軽減のため、事前にドナー自身の自己血を採血・保存(採取の1~3週間前)
(1)注射
  • 白血球を増やす薬(G-CSF)を皮下注射
  • 連日の注射によって、全身の血液に造血幹細胞が増え、血液中に流れ出す(3~4日の通院または入院)
(2)入院
  • 通常3泊4日
  • 手術室で、気管内挿管による全身麻酔
  • うつ伏せの状態で骨盤を形成する大きな骨(腸骨)から専用の針で骨髄液を採取(※)
    (所要時間は1~3時間程度)
    ※採取量は、通常400~1200ミリリットル(患者さんの体重に応じて決定)

(2)入院
  • 採取のみの場合1泊2日~2泊3日、注射初日からの場合4泊5日~6泊7日
  • 血液成分分離装置を使い、注射によって末梢血(全身を流れる血)に流れ出した造血幹細胞のみを採取し、残りの血液を戻します
    (注射を打ち始めて4~5日目。所要時間は3~4時間程度)
    ただし採取した細胞数が必要数に満たない場合は、翌日2回目の採取を実施
    ※万が一腕から採取できない場合は脚の付け根の血管から採取することもあります

(3)退院
  • 採取後、通常2~3日で退院
  • 退院後もコーディネーターが健康状態をフォローアップします。また1~4週間後に健康診断を行ないます
    採取後は、痛みや発熱などの症状が出ることもありますが、通常は速やかに回復します
(3)退院
  • 採取後、通常1~2日で退院
  • 退院後もコーディネーターが健康状態をフォローアップします。また1~4週間後に健康診断を行ないます
    注射や採取によって、骨痛・手足のしびれなどの症状が出ることもありますが、通常は速やかに回復します

詳しくは「チャンス」をお読みください