新鮮凍結血漿が白く濁るのは、献血者の食事等で摂取される脂質の影響によるものと考えられています。食物中の脂質は、アポタンパク質という特定のタンパクによって可溶化され、血漿リポタンパク質となって血漿中に存在します。
このリポタンパク質を比重で分類した場合、最も比重の小さい分子がカイロミクロンで、その大部分は中性脂肪(トリグリセライド)から構成されています。カイロミクロンは直径が75~1,200nmと大きく、光を散乱させてしまうため、血漿は白濁して見えます。その濁度と血漿中カイロミクロン濃度とは高い相関性が見られるといわれています。
濁度の高い新鮮凍結血漿については、血液センターでは凍結前に除外しており、製品化されません。ただし、凍結融解することによって凍結前より多少濁度が増すことがありますが2.、輸血効果に影響があったという報告はありません3.,4.。