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血小板製剤の外観試験-スワーリング検査-

血小板製剤(PC:Platelet Concentrate)の品質を外観で確認する方法として、スワーリング検査が知られています。

スワーリング(Swirling)とは、血小板の入ったバッグを蛍光灯等にかざしながらゆっくりと攪拌したときに渦巻き状のパターンがみられる現象をいいます。

Swirling

血小板の形態が円盤状のときは、光を一様に屈折するためにスワーリングが認められます。しかし、血小板の形態が保存日数の経過や保存状態等により円盤状から偽足を伴った血小板、さらに球状へと変化する割合が多くなるとスワーリングの程度が低下していきます。

円盤状の血小板がほとんどなくなるとスワーリングは全く認められなくなり、外観上は血漿だけが入っているようにみえます。PC中に含まれる円盤状血小板の割合は、輸血後の生体内の生存率(viability)と相関すると言われています。また、実験的にグラム陽性菌(Bacillus cereus)を接種したPCではスワーリングが消失することが確認されており、細菌汚染の有無の簡便なチェックにもなります。

スワーリング検査はこのことを利用して行う検査法であり、血小板の形態を外観的に観察して行うことができるためサンプル採取の必要がなく、血小板の品質を簡便かつ短時間に把握できる方法です。

当センターでは、製剤部門での調製時および供給部門での医療機関への出庫時に全てのPCについてスワーリング検査を行っています。