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照射血について

輸血の副作用のひとつとして輸血後移植片対宿主病(GVHD)があります。通常、受血者が免疫不全状態でなければ供血者のリンパ球は受血者の免疫担当細胞によって非自己として認識し拒絶されるのですが、供血者が受血者の白血球型を重複してもつ(ホモ接合体)場合、受血者は供血者の白血球型を非自己と認識できず、逆に供血者のリンパ球が受血者を非自己と認識し、受血者の骨髄や肝臓等の組織を攻撃することによりGVHDが生じます。

有効とされる治療方法はまだ確立されていないので、日本輸血学会(輸血後GVHD対策小委員会)では、輸血の適応、使用血液の選択を適正に行い、自己血輸血の推進、血縁者からの輸血の回避、新鮮血輸血の回避、輸血用血液の放射線照射による予防等があげられています。血液センターでは、GVHDの予防法として現在もっとも確実な手段である放射線照射血の供給を行っています。