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Q5. どうして血液が不足するの?

  • A.

    現在、日本は本格的な少子高齢社会を迎えました。輸血用血液製剤や血漿分画製剤の大半は、高齢者の医療に使われています。輸血を受ける方々の約85%は50歳以上である一方、献血にご協力いただいた方々の年齢層を見ると、約76%が50歳未満、そのうち16~29歳の方は約25%であり、健康的な若い世代の献血が高齢者医療の多くを支えている現状があります。今後、少子高齢社会が進むにつれて、現在のように若年層の献血者が減少している状況が続くと、輸血医療に重大な支障をきたす恐れがあります。


    平成26年12月に日本赤十字社が行った血液需給将来シミュレーションにおいて、平成25年の献血率(献血可能人口の献血率6.0%)のまま少子高齢化が進展すると、必要献血者数がピークを迎える平成39年(2027年)には約85万人の献血者が不足することが示されました。そのため、日本赤十字社では若年層対策の強化として以下の取り組みを行っています。

    (1)10代への働きかけ

    献血への理解を深めてもらい、初めての献血を安心して行っていただくため、「献血セミナー」などを実施。

    (2)20代・30代への働きかけ

    献血を体験した方が、長期にわたり複数回献血に協力してもらえるように普及啓発、環境整備に取り組む。また、企業などへの働きかけを一層強化し集団献血を行うことにより、安定的な献血者の確保を図る。


    また、献血者数は時期により減少することがあります。全国的にみると、特に冬場から春先にかけては、風邪をひくなど体調を崩す方が多いことや、学校や企業、団体などの協力が得られにくくなっていることから、献血者が減少してしまいます。ゴールデンウィークやお盆、年末年始などにも一時的に減少しがちです。


    献血者の減少は、長期保存のできない輸血用血液製剤の不足を引き起こします。このような場合、全国7カ所のブロック血液センター間の相互協力により、医療機関へ血液が確実に届くようにしておりますが、常に迅速かつ安定的な供給を図るために、献血者の減少時期における皆さまのご協力が必要です。

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