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所長挨拶

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皆様には平素から献血事業に温かいご理解とご協力を賜り、厚くお礼申し上げます。

献血は輸血を必要としている患者さんの命を救う糧であり、我々日本赤十字社は献血血液を安定的に確保し、必要とされる輸血製剤を病院に遅滞なく搬送することによって献血者の皆様の思いを患者さんにお届けしています。

輸血を受けられた患者さんおよびそのご家族から献血者への感謝の気持ちが血液センターに届けられており、本ホームページに「ありがとうの声」として掲載させていただいております。また、献血にご協力いただいた方、献血をサポートいただいている方からもそれぞれの思いが届けられています。このような声が我々職員の励みとなり、血液事業のやりがいにもなっています。あらためて皆様に感謝申し上げます。

日本赤十字社を創設した佐野常民は江戸時代末から明治の始めにかけてパリおよびウィーン万博を訪れ、戦傷病者を敵味方の区別なく救うという赤十字の活動に深い感銘を受けました。この思いは、彼が語った「文明開化といえば人はみな法律や精密な機械ができることをいうが、赤十字のような活動が盛んになることをもって文明開化の証としたい」という言葉に表れています。人道的な活動こそ豊かさの指標になるとの考えは献血にも通じており、いまだ人工合成できずに生身の人間に頼るしかない血液を見ず知らずの人にあげるという献血本来の姿はまさに人としての豊かさの証になることと思います。私どもはこの献血を推進する事業に携わっていることを誇りに思い、日々活動しています。

今、本県をはじめ日本全国に人口減少の波が到来しています。この先、献血可能な年齢層の人口はどんどん減っていく予測になっており、患者さんが必要とする輸血用血液を今と同じく確保していくためには献血していただく人の割合を増やしていくしかありません。どのような状況になっても怪我や病に倒れた患者さんに命の糧となる輸血製剤をお届けすることが我々の使命であり、日本赤十字社のスローガンである「人間を救うのは、人間だ」を胸に刻んで精進しております。皆様におかれましても献血へのご理解とご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

令和7年4月 愛媛県赤十字血液センター所長

羽藤 高明