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ごあいさつ

                        

 いつも日本赤十字社の血液事業に温かいご支援・ご協力いただき、誠にありがとうございます。また、3年前からのコロナ禍にもかかわらず、献血にご協力いただき献血者の皆様、一層のご支援をいただき各事業所や献血推進団体・関係機関の皆様に心より御礼申し上げます。                        

 

 さて、私が当センターに着任してから約2年が経過しました。新型コロナウイルス感染症の動向に翻弄されつつ、感染対策と血液事業でのミッション達成の両立に挑み続けた2年間だったように思います。令和5年5月からの「5類感染症」への移行とともに、ようやく新型コロナに関連した行動制限は緩和されつつあります。しかし、この感染症自体が消滅するわけではなく、少しでも密を避けたいとの心理的動向等は続くことから、当分は楽観できる状況にはないと思っています。

 ご存じのとおり徳島県では少子高齢化が急速に進み、すでに高齢化率(65歳以上の人口比率)は30%を超えています。図1に示すとおり徳島県の総人口は減少し続けていますが、輸血を必要とする患者様には高齢者が多いため、現在のところ輸血用血液製剤の需要は減少しておらず、やや増加する傾向にあります。一方、献血可能人口の減少と若年者の「献血ばなれ」の影響は着実に現れてきており、徳島県においては10~30歳代の献血者数の減少が特に顕著で、2020年以降、60歳代の延べ献血者数が20歳代を上回るという「逆転現象」が起きています(図2)。



              図1 徳島県における輸血用血液製剤の供給量と推計人口の推移



 
図2 徳島県における年代別延べ献血者数の推移


 当センターでもこの現状を打開すべく、若年者への広報活動に加えて、事業所やボランティア団体様等からもご支援いただき、献血者の確保に鋭意努力しているところです。配車予定の大学やイベント会場を中心に「事前予約会」の開催も開始しています。また、昨年秋には、献血カードのスマホアプリ「ラブラッド」がリリースされました。スマホからの献血予約のみならず、事前問診回答などの便利な機能が手軽に利用可能ですので、全ての世代でぜひご活用いただければと思います。

 もうしばらくは、制約のかかった状況が続くことが予測されますが、安全な採血とともに、安心な血液製剤を安定供給のため、職員一同、頑張って参りますので、今後ともご理解・ご協力を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。

令和5年4月

徳島県赤十字血液センター

所長 新谷 保実