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所長のつぶや記

徳島県赤十字血液センター所長

7月になりました。今年の梅雨入りは早かったですが、明けるのはどうなのでしょうか。子どもの頃は、梅雨が明けると家の前の海で毎日泳いでいました。

「亡き母や海見る度に見る度に」(一茶)

私の母は、山村で生まれ育ちました。父のもとに嫁いできた当初、海から聞こえてくる波の音が気になり眠れなかったそうです。母は3年前に亡くなり、元気だった父も後を追うようにその5ヵ月後、逝ってしまいました。母が迎えに来たのだと思います。父の状態が悪くなった時「母ちゃん、父ちゃんを連れて行くのはまだ早いだろう」と母に頼みましたが、父は寂しがる母を一人にしておけないと、旅立ったに違いありません。今は、二人で楽しくやっていると思います。
父は国鉄職員で、休日は農作業。母も農作業、乳牛の世話、家事、夜なべ仕事で、両親はいつも働いていました。学校から帰ってきても両親は家にいませんでしたが、雨の日は稀に母が家で針仕事をしており、そんな時は何故かうれしかったことを憶えています。(父は怖かったので居ない方がホッとしました。「ごめん!父ちゃん」)
江戸時代の名君として知られる上杉鷹山は「父母の恩は、山よりも高く、海より深い。この恩徳に報いることは到底できないが、せめてその万分の一だけでもと、力の限り努めることを孝行という」と説いています。もっと親孝行ができたのではないかという思いもありますが「墓に布団は着せられず」です。感謝の気持ちを持ち続けて、親孝行の代わりにしたいと思います。

血液センター職員は、献血をして下さった方への感謝の気持ちを胸に日々の業務にあたっております。輸血が必要な患者さんにとって献血者は明日への希望を与えてくれる存在です。患者さんや家族から感謝の気持ちを込めたたくさんのメッセージをお預かりしています。その一つを紹介します。

「2歳にして急な発病で輸血が必要となってしまいました。かわいそうでかわいそうで見ていられませんでしたが、皆様の善意の血液によりみるみる元気になりました。大分歩けるようにもなり、もうすぐお家にも帰れそうです。本当にありがとうございました。」

献血によって助かる命があります。患者さんは生きる希望を持つことができます。ぜひ皆様のご協力をお願いいたします。

平成30年7月吉日
徳島県赤十字血液センター 所長 浦野 芳夫

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