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全国の献血に協力した人の声

父として、衛生管理者として、コロナ禍で踏み出した一歩

K・Kさん

K・Kさん

【献血の大切さを知る】

私には中学生になる子どもがいます。
今から10年ほど前、小児がんを患ってしまったわが子は、抗がん剤での治療をするほか助かる手立てはありませんでした。抗がん剤の治療は、がん細胞と一緒に健康な細胞をも傷つけてしまうということもあり、毎日採血を行い、血液の状態を確認します。赤血球や白血球、血小板と数値の下がり具合を見て、必要に応じて輸血をします。今まで私は、輸血=大けがや手術で大量に出血をした人がするものとしか考えていませんでしたが、治療の一環として輸血をすることを初めて知りました。輸血をした後は、数値が向上するだけでなく、顔色が良くなり、本当に「元気」になります。こうして一進一退の治療を進め、外出や外泊もできるようになり、半年後に退院することができました。血液を必要とする人が大人だけでなく、子どもにも無くてはならないもので、それが身近に誰にでも起こり得ることを知りました。

【職場での献血活動に衛生管理者として参加】

それから数年が経ち、職場では衛生委員会に所属しています。半年に一度、職場には献血バスがやってきます。献血に協力してくれる人を募り、スケジュール管理や、血液センターや保健所の方とのやり取りをするのが私の役目です。たくさんの人に協力してほしい。その思いで毎回、無理をしない範囲での協力を職場の仲間に呼びかけしていた私ですが、自分では献血できずにいました。それは、子どもの治療中のつらい記憶がフラッシュバックしてしまうからです。毎回情けない思いで献血バスを見送る自分がいました。

【きっかけは新しい命の誕生とコロナ禍】

昨年、わが家には第三子が誕生しました。コロナ禍ということもあり、毎日たくさんの悲しいニュースが飛び交う中で、命の尊さを改めて実感しました。そんな中で行った献血の打ち合わせで、新型コロナウイルスが流行してから血液が不足しているということを聞き、その時に何かが吹っ切れた気がしました。私たち家族が助けられた輸血。同じように苦しんでいる誰かを助けるには献血するしかない。そう決心し献血バスに乗りました。今までの不安は跡形もなく消え、終わった後は、なんだか晴れやかな気持ちでした。
今後も、献血に協力してくれる人への感謝を忘れず、私のように不安や心配を抱える人に寄り添う気持ちを大切にし、献血に関わっていきたいと思います。

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