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「こころ」をありがとう

「ささやかな恩返しが心を穏やかに」

File.27 2015年2月10日

福井エフエム放送 営業放送本部長 黒川 元司さん

黒川元司さん

確か大学生として東京で暮らしていたころのことだと思います。

友人に予定を急にキャンセルされて、時間を持て余していた私が、たまたま見かけた献血車で初めて献血をしました。

その当時は、献血に対してこれといった想いがあったわけではなかったので、その後、何年も献血を行うことはありませんでした。

街で献血車を見かけても、時間が無いことを理由に避けていました。

そんな私が、献血回数166回を重ね血液センターのスタッフの皆さんとも顔なじみになることが出来たのは、母の病気がきっかけでした。

今から20年ほど前、母が重い病気で入院していたころ、母は治療のため度重なる輸血を受けていました。

最初はそのことに想いが至りませんでしたが、ある日、自分の母の命を救うために、たくさんの見ず知らずの方たちの血液を頂いていることに気付きました。

そして、自分がこれまで献血を避けていたことを恥ずかしく思いました。

残念ながら母は他界しましたが、その時お世話になった多くの方への恩返しのために、私がはじめたのが166回に上る成分献血です。

私が(私の母が)、たくさんの方から頂いたご厚意に比べれば、時折行う成分献血は、ささやかな恩返しに過ぎないかもしれません。

しかし、このささやかな行為が、誰かの役に立っていると思うと、それだけで心穏やかになれます。

それに成分献血に付随している血液検査の結果を利用して、自分の健康管理をするのも50歳を過ぎた私には大切な習慣です。

また、仕事に行き詰った時など血液センターのベッドは、格好のリフレッシュスペースですよ?

これからも、自分に出来るささやかな恩返しを続けていこうと思います。

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