いつも日本赤十字社の血液事業にご理解・ご協力をいただき、誠にありがとうございます。献血にご協力いただいいている献血者の皆様、事業所や献血推進団体・関係機関の皆様に厚く御礼申し上げます。
私が当センターに着任してから3年が経過しました。新型コロナウイルス感染症が5類に移行し、行動制限のない生活が戻りつつありますが、徳島県での献血血液の確保は、人口減少、少子高齢化に加えて若年層の献血離れなどの影響で、依然、楽観できない状況が続いています。
全国的には、輸血用血液製剤の需要は製剤によってはやや減少傾向にありますが、徳島県では減少傾向はなく、血小板製剤はむしろ供給量が増加しており、昨年度は6万単位を超えました。また、近年のγ-グロブリン製剤等の需要増の影響もあり、献血血液自体の必要量はむしろ高まっています。
一方、徳島県においては10~30代の献血者数の減少が顕著で、2020年以降、60代の延べ献血者数が20代を上回っていましたが、2023年度にはついに60代が30代の献血者数を超えました(図2)。この間、献血を支え続けた50・60代の献血者数もそろそろ上限に達しつつあり、できるだけ早い段階で若年層の献血者数を増加に転じる必要があります。そのためには、若年層の初回献血者を確保する必要がありますが、徳島県の10~30代の初回献血者数は全国平均と比較して少なく、特に10・20代は中四国9県の中で最も低いレベルになっています(図3)。
当センターでもこの現状を打開すべく、SNS等を使った若年者への広報活動に加えて、献血協力団体や学生ボランティアのご協力を得て、献血者の確保に鋭意努力しているところです。今年度は学域での献血セミナーや移動採血の回数を増やし、少なくとも「コロナ前」の状況に回復させたいと考えていますので、ご協力いただければ幸いです。また、配車予定の大学やイベント会場を中心に「献血相談会」も開催していますので、お気軽にご来場いただければと思います。
今後とも安全な採血とともに、安心な血液製剤の安定供給のため、職員一丸となって頑張って参りますので、今後ともご理解・ご協力を賜りますよう、何卒宜しくお願い申し上げます。
令和6年5月
徳島県赤十字血液センター
所長 新谷 保実