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所長のつぶや記

所長ごあいさつ(令和2年2月)

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 まもなく立春です。梅の便りも聞こえてきます。今年は寒の入り後もあまり寒さを感じることがなかったためか、例年ほど春が待ち遠しいという感じはしません。一方、夏に開催されるオリンピック、パラリンピックは早く来てほしいと思います。お互いが理解を深め、偏見や差別のない世界になるための有意義な大会になってほしいと思います。

あるじ去る空家の庭の梅黄ばむ(延川五十昭)

 1月20日にホテル千秋閣で徳島市企業体人権問題研修会があり出席しました。今回は、徳島県ハンセン病支援協会 十川勝幸会長の講演でした。十川さんは20年以上にわたりハンセン病元患者と交流を続けており、元患者が受けてきた差別について具体的な事例を挙げてお話しいただきました。ハンセン病に対する無知がもたらした偏見、差別には改めて心が痛みました。

 この日、米国ではキング牧師記念日でした。キング牧師はアフリカ系アメリカ人公民権運動の指導者として活動し、人種差別に抗議するデモ隊25万人を前に行った「I Have a Dream(私には夢がある)」の演説は人の心を打ちました。1964年「米国における人種偏見を終わらせるための非暴力抵抗運動」が評価され、ノーベル平和賞を受賞しています。残念ながら1968年に白人男性の凶弾に倒れ、39歳の若さで亡くなりました。

 この年、メキシコシティーで開催されたオリンピックの200m走で、アフリカ系アメリカ人であるトミー・スミスとジョン・カーロスが金メダルと銅メダルを獲得しました。彼らは表彰式で人種差別に抗議の姿勢を示し、大きなニュースになりました。国歌が流れ星条旗の掲揚が始まると頭を垂れ、黒手袋をはめた拳を突き上げた二人の姿を覚えています。

 人種差別のもととなっている「人種」というのは、人類を生物学的に分類したものではなく地域集団を示すものです。私たち人類は、生物学的分類ではヒト科・ヒト属(ホモ属)・ヒト種となり、学名はホモ・サピエンスです。かつてはホモ・エレクトス(北京原人やジャワ原人)、ホモ・フロレシエンシス(フローレス原人)、ホモ・ネアンデルターレンシス(ネアンデルタール人)など多様な人類がいましたが、現存するのはホモ・サピエンス1種のみです。アジア人もアフリカ人もヨーロッパ人もオーストラリア先住民も、すべてホモ・サピエンスです。皆同じなのです。

 さらに最近の研究では、遺伝子レベルで地域集団内の個体差に比べて地域集団間の差が非常に小さいことが分かってきました。また、人種を決定するような遺伝子はありません。地域集団間に優劣はないのです。根拠のない偏見、差別はもう止めにして、理解しあい支えあう世界にしたいものです。

 話は少し変わりますが、「人間の生命は尊重されなければならないし、苦しんでいる者は、敵味方の別なく救われなければならない」という「人道」が赤十字の基本です。偏見をもたず差別なく接し、支えあうことに繋がります。血液事業もその一端を担っています。献血に皆様のご理解とご協力をお願いします。

令和2年2月

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