MENU

所長のつぶや記

所長ごあいさつ(令和2年7月)

____(_________).jpg

 梅雨が明けると海水浴の季節ですが、今年はほとんどの海水浴場が開かれないようです。学校の夏休みも短縮されるようで、子供たちはどうなるのでしょうか。

青きところ 白きところや 夏の海(高浜虚子)

 自宅と職場は車で15分ほどの距離です。渋滞を避けるため朝の通勤には裏道を通りますが、それでも渋滞に巻き込まれることがあります。ところで、渋滞は車だけでなく人の流れ、物流、水の流れ、通信など多くの場面で現れます。徳島ラーメンの人気店にできる行列も一種の渋滞です。「万物は渋滞する」。これは、数学を駆使してさまざまな渋滞を研究している東京大学西成活裕教授の研究室のホームページに書かれている言葉です。

 映画や演奏会が終了し、大勢の人が狭い出口に殺到するとなかなか外に出られません。西成教授によれば、出口付近に障害物を置くと流れがスムーズになり、早く出られるそうです。一見矛盾するように思えますが、数学で説明できると言います。また、出口で皆が譲歩協調し合えば早く出られるそうです。競い合うから出られないのです。

 来月にはお盆休みがあります。今年は新型コロナウイルスの影響でどうなるか分かりませんが、お盆の高速道路の渋滞は毎年のことです。高速道路の渋滞の多くは緩やかな(分度器で測ると1度とか2度くらいしかない程度の)上り坂で発生するそうです。運転手は、坂だと気付かないのでアクセルを踏みません。そのためスピードは徐々に落ち、後続車との車間距離が短くなるため後続車はブレーキを踏み減速。このブレーキの連鎖反応による減速は、後ろの車ほど大きくなり、ついには車を止めてしまいます。

 西成先生は、車間距離を十分にとって走行すれば、理論上ブレーキの連鎖反応は起こらず渋滞は発生しないと考えました。そこで、JAF(日本自動車連盟)と警察庁の協力を得て、渋滞で有名な中央自動車道の小仏トンネルで検証を行ったそうです。「渋滞が200~300メートルできた」との報告を受け、JAFのドライバーが運転する車が追い越し車線と走行車線に4台ずつ出ます。そして、指示された速度と車間距離を保ちながらゆっくり走り始めたところ、渋滞は解消され全体の車の流れも時速50㎞から時速80㎞に速くなったとのことです。われ先と急がずお互いが車間距離をとって走れば気分良く運転でき、結局は目的地に早く着くことができるということです。

 渋滞の研究で西成先生が得た知見は、「急がば回れ」だそうです。自分だけの利益を優先すると、全員が損をすることになるといいます。

 献血現場でも「渋滞」(待ち時間)が発生しご迷惑をお掛けすることがあります。また、新型コロナウイルス感染拡大防止のため密にならない対策をとっており、時間が長くかかることもあります。大変申し訳なく思っております。当センターでは密を避け、献血をスムーズにしていただくための対策を試行錯誤しながら進めております。ご理解をお願いいたします。なお、献血ルーム「アミコ」での献血には、予約をしていただけると大変助かります。

 今後ともよろしくお願いいたします。

令和2年7月

参考図書

渋滞学(新潮選書)西成活裕

クルマの渋滞 アリの行列(技術評論社)西成活裕

とんでもなく役に立つ数学(朝日出版社)西成活裕

過去のお知らせ

最新のお知らせ

カテゴリ一覧