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所長ごあいさつ

所長ごあいさつ(令和3年2月)

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 まもなく立春、陽の光も春めいてきたように感じます。今年の立春は2月3日、節分は2月2日です。これは124年ぶりということです。いつもより早く鬼を退治できます。何かいいことが起こって欲しいと思います。

     「死ぬまでは生きねばならぬと言ふ母の今朝の薬とり分けてゐる」(高木閑人)

 今年、第42回徳島歌壇賞に選ばれた一首です。95歳になるお母さまが口癖のように呟いた言葉を詠んだそうです。50年以上前に亡くなった祖母を思い出しました。腰が曲がり、目も耳も悪かった祖母は「早くお迎えが来て欲しい」が口癖でした。今考えると、「お迎えが来るまでは生きなければならない」と思っていたのだろうと思います。

 昨年の夏以降、自死を選ぶ人が増えているとメディアが伝えていました。特に、若い女性の増加が目立つということです。コロナ禍で人との接触機会を減らすことが求められ、望まない孤独に陥っている人が大勢いるという話を耳にします。孤独は絶望感に繋がり、辛い選択をしがちになります。早くコロナの収束を願うばかりです。

 ワクチンが希望の光です。英オックスフォード大学と教育慈善団体との共同追跡サイト「Our World in Data」によると、最も新型コロナウイルスに対するワクチン接種が進んでいるのはイスラエルです。人口約920万人の4分の1以上がすでに接種し、3月半ばまでに5割を超える国民に接種を目指しているとのことです。イスラエル保健省は、ワクチン接種14日後に感染率が50%まで落ちたと明らかにしました。期待のもてる数字だと思います。その時まで頑張りましょう。

 コロナ収束に期待のかかるワクチンですが、ゼロリスクではありません。大勢の人に接種すれば、中には重大な副反応を起こす人もでてきます。その頻度が10万分の1、100万分の1であったとしても、本人にとっては1分の1です。国や地方自治体は一人ひとりの個別の問題にも心を配ってワクチン事業を進めて欲しいと思います。

 私たち赤十字血液センターには、輸血を必要とするすべての患者さんに血液を届けるという使命があり、毎日一定量の献血血液を確保しなければなりません。コロナ禍の中、いろいろ工夫しながら献血をお願いしていますが、献血者の確保は思うに任せない状況が続いています。これまで以上に献血者一人ひとりに寄り添った献血推進を心掛け、多くの皆様にご協力いただけるよう頑張ります。よろしくお願いいたします。

令和3年2月

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