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所長ごあいさつ

所長ごあいさつ(令和3年3月)

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 早くも1月、2月が過ぎ、3月となりました。「一月往ぬる 二月逃げる 三月去る」の言葉どおり、今月もあれよあれよという間に去って行くのだと思います。

 3月は木々が芽吹き、鳥がさえずり、生命の息吹を感じる頃ですが、別れの季節でもあります。私事ですが、今月末に定年を迎えます。ここまで無事に来ることができた安堵感とともに、寂しさが混ざり合った心境です。

     三月やともかく越えて来たる日々 (稲畑汀子)

 徳島県赤十字血液センターには徳島赤十字病院から異動してきました。5年余前のことです。病院では皮膚科医として勤務し、重症熱傷の患者さんなどに輸血を行っていました。当時は血液センターに連絡さえすれば輸血用血液は手に入ると安易に考えていました。しかし、血液事業に携わるようになり、輸血医療は多くの方の善意に支えられていると身をもって知りました。献血推進に協力してくださる各種団体、献血バスを受け入れてくださる企業や学校、そして献血会場に足を運んでくださる献血者の皆様には感謝しかありません。

 献血会場で私の心はいつも温かくなります。献血者は「ありがとうございました」「お世話になりました」と帰って行かれるのです。礼を言うべきは私たちなのに。「献血をしていただいてありがとうございました。そして『ありがとうございました』と言っていただいて、ありがとうございました」と心からお礼を言いたいです。私たちはその言葉に元気づけられ、仕事に誇りを持つことができています。

 血液センターでの5年間で勤務医時代にはできなかった貴重な経験をしました。そして、多くのことを学びました。人の優しさ、善意を肌で感じました。振り返ればあっという間でしたが、素晴らしい5年間でした。また、血液センターの使命を果たすべく頑張ってくれている職員にも感謝です。

 「輸血の必要な人が誰かの善意によって助かる」。それが今、普通のこととして行われています。いつの日か人工血液が実用化され、献血がその役割を終えた時、「すごい時代だったんだね、みんな優しかったんだね」と未来の人が振り返ってくれるに違いありません。その時まで、献血にご理解、ご協力を賜れば幸いです。

 皆さま、お世話になりました。そして、本当にありがとうございました。

令和3年3月

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