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所長コラム

所長コラム(令和4年8月)

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<花火>

夏も終わるのでせめて少し気取った夕食でも、と、8月最後の土曜日、長良川河畔で過ごした折の話です。

長良川では5月から10月半ばまで、篝火(かがりび)を焚いた5艘の船により鵜飼が繰り広げられます。ホームページに『19:45頃、鵜飼の始まりを告げる花火が上がり、いよいよ鵜飼が始まります』とありましたので、場所は離れていたのですが、折角なので花火だけでも、と待っていました。

時間となり、予告通り花火が上がりました。数発程度かと思っていたら、まず、はじめに延々と単色の赤い花火が上がり川面を染めました。次に、大輪やハートや様々の形の色とりどりの花火が続き、最後にひと際明るい光の粒をちりばめたような花火が川いっぱいに広がり、遠くからの拍手とざわめきの後、川面は再び夕闇に沈みました。

この間、約15分。

ネットで調べてみたところ、これはいつもの鵜飼の始まりの花火ではなく、『第3回長良川鵜飼屋花火大会』であったことが分かりました。

長良川では毎年7月終わりと8月初めの2回の花火大会が恒例でしたが、この3年間は中止でした。しかし長良川から花火を絶やさない、の思いで多くの有志、企業や個人の皆さんが募金して企画されたのがこの大会ということでした。開催日時は、『新型コロナウイルス感染対策を岐阜県と協議の上、非公開にて開催』とあります。どおりで一般には告知がなかった訳です。

さて、新型コロナウイルス感染症の第7波、桁違いの感染者数を見ると誰もが感染リスクの中と思われますが、血液センターも例外ではなく、散発的に自宅待機を余儀なくされるスタッフが出ています。しかし、献血をいただき病院の患者さんへ届ける。この仕事を滞らせるわけにはいきません。スタッフの休日を調整し急遽出勤としたり、受付や採血担当の人数を減らしたりで維持しています。献血者の皆様にはご迷惑をお掛けしますがご理解くださいますようお願いいたします。

『篝火』の名前を持つというあの赤い花火。ウイルス蔓延の中、また、戦火に苦しむ人たちがいることを思いながら見ていると、不安を感じさせるほどの赤さでした。しかし、延々と打ち上げられる花火は(実際は3分ほどだったようですが)祈りのようでもありました。いつの日か平穏と平和の中で、改めてずっと見ていたいような赤さでした。

以上、出歩くことの少なかった今年の夏に遭遇した最大のイベント(!?)を披露させていただきました。

かなり夏休みの絵日記的ですが、8月に免じてご容赦願います。

                   岐阜県赤十字血液センター

                   所長 髙橋 健

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