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所長コラム

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骨髄バンクドナー登録
  

 献血会場で骨髄バンクドナー登録をお願いしていることがありますがご存じでしょうか。今回はこの紹介です。担当するスタッフは赤十字血液センター職員ではありません。また、ドナー登録を管理する公益財団法人日本骨髄バンクの方でもありません。ボランティア組織「岐阜骨髄献血希望者を募る会」のボランティアスタッフの皆様です。この「募る会」はNPO「全国骨髄バンク推進協議会」に加盟し岐阜県で活動しておられます。各都道府県で同様の活動が行われています。

 昨年10月に、「募る会」代表の田中重勝様(日本でバンクドナー骨髄提供第1号の方)が血液センターに来られました。訪問の理由は、新規の骨髄ドナー登録が減っていること、特に(2月のコラムの続きのようで恐縮ですが)、岐阜県は人口当たりの登録者数が全国順位47位(最下位)となってしまったことから、その打開に向けた協力依頼です。

 血液内科医師は白血病移植治療のために提供者(ドナー)を、まず兄弟など血縁者から探します。見つからない時は、日本骨髄バンクに依頼し登録者から適合ドナーを探します。この手順は私も良く知っていました。しかし、その根本となる、現在40万人を超える日本骨髄バンクのドナー登録、そのほとんどがボランティアの活動によって進められてきたことを、迂闊にも知りませんでした。さらに言えば、他県は分かりませんが、ほとんどの岐阜の血液内科医も知りませんでした。エーッと言う感じでした。

 これをきっかけに、「募る会」田中代表と岐阜の血液内科移植医の初面談となり、ボランティアスタッフ養成などの協力体制ができました。そして先日の献血会場では、さっそく新しくスタッフとなられた赤と黄のジャケットのお二人が活躍しておられました。骨髄ドナー登録は保健所などでも行われていますが、献血会場での登録が全体の6,7割を占めているとのことです。この日は10名の献血者の皆様がドナー登録されました。

 ドナー登録後の進み方についても簡単に触れてみます。移植予定の患者さんと適合した場合は、骨髄バンク事務局から登録者に適合通知があります。この通知は登録後すぐに届く場合もありますし、数年後のこともあります。通知を受けた時点で提供の意向があれば移植に向けた調整が始まります。ただし、骨髄提供はドナー負担も大きいので、この時点で提供を控えられる方もおられます。また、調整の過程で種々の理由で終了となる場合もあります。

 さて、どのようなドナー登録者が最終的に提供に至りやすかったかの報告(*1)もご紹介します。定期的に献血されている方は提供に至る率が高かったとのことで、これは納得できる結果です。

 ここで1つ、この報告から皆様へ問題を出させていただきます。夏休みの宿題に関する質問です。「宿題を前半にした人と終わりの頃にした人」、「予定を立て計画通りした人と先延ばしした人」では、どちらが提供者となりやすかったでしょうか?

 答えは、終わり頃にした人、先延ばしした人です。理由の分析をお知りになりたい方は報告をご覧ください。ちなみに、私はこの条件に関しては資格十分です。当コラムの昨年4月から今月までの発行日を追っていただければ分かります。

 あっという間に新年度、またよろしくお願いいたします。

 

*1:骨髄バンク登録者・幹細胞提供者の行動経済学的特性 大竹文雄ら、行動経済学、第13巻(2020)、32-52

  

岐阜県赤十字血液センター

所長 髙橋 健