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ごあいさつ

広島県赤十字血液センター所長

広島県の血液事業の推進につきまして、献血者の皆さまをはじめ、県・市区町、各献血推進団体および協力団体、医療機関、関係各団体の皆様には、日頃からご協力とご理解を賜り、厚くお礼申し上げます。

この度、令和3年度の事業実績をまとめましたので、ご高覧いただけますと幸甚に存じます。

さて、私は、令和4年4月より山本昌弘前所長から引継ぎ、広島県赤十字血液センター 所長を拝命いたしました麻奥英毅でございます。昭和58年に広島大学を卒業し、3月末までの約35年間、広島赤十字・原爆病院血液内科に所属し、皆様からの献血でいただいた血液製剤を使用し、血液悪性腫瘍の治療を行っておりました。今後は、献血をお願いし、血液製剤を供給する立場として、安全な血液製剤の安定供給に取り組んでいくことで、微力ながら広島県の医療に貢献できればと考えております。

広島県では、令和3年度に延べ121,585名の皆さまから献血いただき、輸血を必要とするすべての患者さんに血液製剤を滞りなくお届けすることができました。医療機関にお届けした血液製剤は、111,517本にもなります。このように血液事業は、皆さまの温かいご厚意があってはじめて成り立つものです。重ねて皆さまに御礼申し上げます。

我が国では、少子化が急速に進行し、超高齢社会に突入しています。これは、広島県においても例外ではなく、65歳以上の人口比率が30%に差し迫り、輸血を必要とする高齢の患者さんが増えているにもかかわらず、献血可能な若年人口は減少が続いています。

現在、広島県の献血を主に支えているのは40代~50代の方で、その割合は全体の半数以上を占め、一方で、10代~30代の若年層世代の献血者の割合は年々減少傾向にあります。このままの状況で推移すると、近い将来、必要な血液製剤を十分に供給できなくなる可能性があります。これから先も、血液製剤を安定的に供給していくためには、若い世代の献血へのご協力が必要不可欠です。

昨年度は、県内で初めて、小学生の子どもたちを対象とした献血の模擬体験イベント『キッズ献血』を実施いたしました。当日は、120名を超える子どもたちに、実際の献血の手順に沿って、「問診」や「血液の検査」、「採血」などを体験いただきました。職員の説明を興味津々に聞きながら楽しそうに体験してくれたり、また少し怖がりながらも最後までチャレンジしてくれたりと、様々な反応を見せてくれた子どもたちに、献血の大切さが少しでも伝わり、この体験が、将来、子どもたちが献血に踏み出すきっかけとなればと願っています。

コロナ禍の中色々と制限はございますが、参集型イベントを実施する際には感染症対策を万全に講じ、また、オンライン等様々な手法も用いながら、人と人との支え合いから生まれる献血の輪をこれからも維持し続けるため、今後も若年層、特に小学校~大学生の皆さまに向けた献血の普及啓発、教育活動に努めてまいります。

中国四国地方で最大の都市『広島』にある血液センターとして地域の特性と役割を生かしつつ、輸血を必要とする患者さんのために、献血者の皆さまの貴重な贈り物である血液の「更なる安全性の向上」と「安定供給」を使命として、全力で取り組んでまいります。

皆さまにおかれましては、血液事業へのより一層のご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

令和4年7月

広島県赤十字血液センター

所長 麻奥 英毅

基本理念
基本方針

広島県の献血状況

全国で献血にご協力いただいた方は、のべ約505万人(令和3年度、以下同じ)でした。
そのうち、広島県でご協力いただいた方は、のべ約12.1万人にも上ります。
皆様の温かいご協力に、心より感謝申し上げます。

さて、広島県における人口あたりの献血者数(献血率)は4.4%であり、全国平均(4.0%)を上回っています。
しかし、輸血用血液の人口あたり使用量も、全国平均と比較して多めです。特に血小板製剤は全国トップクラスの使用量となっています。これに加え近年、血しょうを原料とする血しょう分画製剤の需要が増加しているころから、献血ルームでは「成分献血」を特に推進しています。
また、赤血球製剤については、400mL献血からの血液の需要が98%を占めることから、400mL献血の推進に力を入れています。

なお、広島県の献血状況については、毎年度「ひろしま 献血のあゆみ」を作成し、皆様にご報告しています。
全国の献血状況をはじめ、広島県での年代別、地域別献血状況などを収載しています。