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ごあいさつ

広島県赤十字血液センター所長

医学は急速に進歩をしていますが、医療の現場では今でも多くの輸血が必要とされています。そして実用的な人工血液はいまだ導入されていないため、輸血用血液製剤は100%献血によって賄われています。広島県では、令和6年度に延べ118,064名の皆さまから献血のご協力をいただき、輸血を必要とするすべての患者さんに血液製剤を滞りなくお届けすることができました。医療機関にお届けした血液製剤は、109,724本にもなりました。医療における輸血療法は皆さまの温かいご厚意があって成り立っています。献血者の皆さまをはじめ、県・市区町、各献血推進団体および協力団体、医療機関、関係各団体の皆様には、厚くお礼申し上げます。このたび、令和6年度の血液事業実績をまとめましたので、ご高覧いただけますと幸甚に存じます。

さて、わが国では総人口は14年連続で減少していますが、少子高齢化のため高齢者人口は増加し、必要とする血液量は変わらないにもかかわらず、献血可能人口は減少しています。 献血者の減少、特に若年層世代の献血者数の低下は長期的かつ深刻な問題となっています。当センターでは将来にわたって血液製剤を安定的に供給するために、今後献血の担い手となる若年層世代が積極的に献血へ参加していただけるよう取り組んでいます。

昨年、当センターでは献血ルーム「ピース」が開所10周年、献血ルーム「もみじ」がリニューアル10周年という節目を迎えました。これを記念し、令和6年4月3日に献血ルームで盛大なイベントを開催いたしました。イベントには多くの若年層世代が参加し献血の現状について理解を深め、献血協力の呼びかけを行いました。その他にも当センターでは若い人々に、より積極的に献血に関わっていただけるよう「キッズ献血」や「なるほど献血教室」などの取り組みを行っています。

日本赤十字社は、令和7年7月から血小板製剤に対する細菌スクリーニングを導入します。この検査の導入で、より安全な血小板製剤の供給が可能となりますが、検査に要する時間の増加のため、これまで献血者の多い土曜、日曜日で主に確保できていた血液が、使用日から逆算すると平日に確保する必要が生じます。今後は平日における献血へのご協力がこれまで以上に重要となります。ご理解の上、平日の献血へのご協力をお願い申し上げます。

また、令和8年1月には献血記録の役割を果たしてきた献血カードは献血Webサービス「ラブラッド」アプリへと移行します。「ラブラッド」では血液検査結果の確認に加えて、献血の予約、事前の問診が可能となっています。今後も献血者の皆様にご満足いただけるようなサービスの提供に努めてまいります。

広島県赤十字血液センターは、これからも輸血を必要とする患者さんのために、献血者の皆さまの貴重な贈り物である血液の「更なる安全性の向上」と「安定供給」を使命として、全力で取り組んでまいります。

皆さまにおかれましては、血液事業へのより一層のご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

令和7年7月

広島県赤十字血液センター

所長 麻奥 英毅

基本理念
基本方針

広島県の献血状況

全国で献血にご協力いただいた方は、のべ約500万人(令和6年度、以下同じ)でした。
そのうち、広島県でご協力いただいた方は、のべ約11.8万人にも上ります。
皆様の温かいご協力に、心より感謝申し上げます。

さて、広島県における人口あたりの献血者数(献血率)は4.3%であり、全国平均(4.0%)を上回っています。
しかし、輸血用血液の人口あたり使用量も、全国平均と比較して多めです。特に血小板製剤は全国トップクラスの使用量となっています。これに加え近年、血しょうを原料とする血しょう分画製剤の需要が増加しているころから、献血ルームでは「成分献血」を特に推進しています。
また、赤血球製剤については、400mL献血からの血液の需要が約98%を占めることから、400mL献血の推進に力を入れています。

なお、広島県の献血状況については、毎年度「ひろしま 献血のあゆみ」を作成し、皆様にご報告しています。
全国の献血状況をはじめ、広島県での年代別、地域別献血状況などを収載しています。