広島県の血液事業の推進につきまして、献血者の皆さまをはじめ、県・市区町、各献血推進団体および協力団体、医療機関、関係各団体の皆さまには、日頃からご理解ご協力を賜り厚く御礼申し上げます。
この度、令和4年度の事業実績をまとめましたので、ご高覧いただけますと幸甚に存じます。
令和4年度はコロナ禍にもかかわらず、広島県で延べ117,795名の皆さまから献血いただき、111,816本の血液製剤を医療機関にお届けしました。お陰様で輸血を必要とするすべての患者さんに血液製剤を滞りなくお届けすることができました。重ねて皆さまに御礼申し上げます。
さて、新型コロナウイルス感染症も令和5年5月から「5類感染症」へ移行したことに伴い、行動制限は緩和され街中は以前の賑わいを取り戻しつつあります。いまだ完全に終息したとはいえないまでも、閉塞した日々からようやく明るい兆しが見え始めているようにも 感じます。
コロナ禍で血液事業もまた大きな影響を受けましたが、長らく延期・中止となっていた企業や学校での集団献血も徐々に再開されつつあります。この社会の活動再開を追い風として、コロナ流行以降大きく減少している企業や学校での献血に、再び以前のように参加・ご協力いただけるよう献血を推進していくことが我々の目下の課題となります。
しかし、この3年で、テレワークやオンライン学習といった新たな習慣や、密を避ける新しい生活様式が私たちの生活に定着してきました。そのため、まったくコロナ前と同じに戻ることはないと思われます。血液事業も同様にこの変化に対応していかなければなりません。新しい社会の様式は人々の孤立化につながる恐れがあります。だからこそお互いに助け合うという意識、社会貢献は普通のことであるという意識を持つことが大切になります。献血は普段着でできる社会貢献です。当センターといたしましては、皆さまにこの点をご理解ご協力いただけるよう、鋭意努力しているところです。
当センターでは現在、予約献血を推進しています。予約いただくことで待ち時間が短縮でき、またご来場が分散されることで、会場の「密」回避につながります。令和4年9月には「ラブラッド」のスマホアプリをリリースしました。献血の予約のみならず、これまでは献血会場でしかできなかった問診回答が事前に回答できるようになるなど、便利な機能を追加しています。また、献血の予約というものを広く知っていただくための取り組みとして、献血バス配車予定の大学を中心に「事前予約会」も始めました。今後も若年層のみならず幅広い世代に積極的に献血協力していただけるようさまざまなサービスの提供を進めていきたいと存じます。
中国四国地方の中心的センターとして、輸血を必要とする患者さんのため、献血者の皆さまの貴重な贈り物である血液の「さらなる安全性の向上」と「安定供給」に全力で取り組んでまいります。献血者の皆さま、自治体、各事業所、各献血推進団体および関係各団体の皆さまにおかれましては、より一層のご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
令和5年7月
広島県赤十字血液センター
所長 麻奥 英毅