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〈血液センターだより〉 輸血とABO血液型

みなさんこんにちは! 

 

第6回の<血液センターだより>は、「品質情報課」が担当します。品質情報課では血液製剤の採血から供給に至るまでの品質に係る情報を取り扱っています。難しいことをやっていそうな部署だと思われますが、血液製剤の品質、有効性、安全性を向上させるために、各部署のサポートをさせていただいています。今回は、輸血におけるABO血液型の意義についてご紹介します。

 

日本赤十字社のホームページなどで献血種類(200mL/400mL/成分)ごとの状況を示した献血状況をご覧になられたことはありませんか。これは、医療機関から必要とされる血液量を安定的に確保するために皆様にお伝えしたいメッセージを血液型ごとにハートのイラストで表示しています。

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輸血を実施するうえでABO血液型とRh血液型は同型の輸血が原則であり、血液型ごとに必要な本数を確保しなければなりません。今回は、ABO血液型について同型の輸血用血液製剤が必要となる理由についてお話させていただきます。

 

まず、血液型を検査する場合、血液を赤血球と血清に分けます。赤血球表面には抗原と呼ぶ血液型の物質があり、血清中には抗体と呼ぶ赤血球と反応する物質があります。A型の人の赤血球表面にはA抗原があり、B抗原はありません。血清中にはB抗原と反応する抗体(抗B)があり、A抗原と反応する抗体(抗A)はなく、自身の赤血球と血清は反応することはありません。一方、B型の人の赤血球表面にはB抗原があり、A抗原はありません。血清中にはA抗原と反応する抗体(抗A)があり、B抗原と反応する(抗B)はありません。

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では、A型の患者さんにB型の赤血球製剤を輸血したらどうなるでしょうか。

 

A型である患者さんにはB抗原と反応する抗体(抗B)があり、B型の赤血球製剤にはB抗原があります。

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患者さんの抗Bが赤血球製剤のB抗原に反応することで、赤血球を破壊し、副作用が起こります。

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ABO血液型が異なる血液を輸血することは大変危険であり、同型を輸血することが原則となります。ただし、A抗原およびB抗原をもたないO型の赤血球製剤はどの血液型の患者さんに輸血することができるなど、患者さんと赤血球製剤のABO血液型の組み合わせによっては輸血することが可能である場合もあり、緊急時の輸血等で選択されることもあります。

 

輸血におけるABO血液型同型輸血の重要性についてお話させていただきました。献血にご協力いただける際に参考にしていただければと思います。

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