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所長コラム

所長コラム(令和4年5月)

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新型コロナウイルスの影響で2年間中止となっていた岐阜大学医学部1年生の初期体験実習が再開となりました。入学初期から実際の医療・福祉現場を見学・体験することを目的として、10人ほどのグループに分かれて、5月から約1か月の間に様々の施設を回る実習ですが、その一つとして岐阜県赤十字血液センターにも毎週訪れます。
さて何を見てもらうか。ということで、難しい知識の詰込みは最小限として、献血していただいた血液が、実際にどのように動いていくかを見てもらうことにしました。
1枚目の写真は、血液センターが担当する血液の流れでは最終段階となる血液供給車を見送る様子です。午前10時頃、病院からの発注にぎりぎりまで対応し、血液製剤を積み込んだ7台の供給車が、赤色灯の点灯確認の後、各地の病院向けて出発していきます。
その後、1階の献血ルームで、献血者の皆様のご了解を得た上で採血(献血)を見学し、2階の供給部門で、冷凍庫や冷蔵庫に保管されている血液製剤の見学を行います。
赤十字が血液事業の中で担当する仕事は採血⇒検査と製造⇒供給ですが、このうちの検査と製造は、東海北陸ブロック血液センター(瀬戸市)に集約されており、現在岐阜県赤十字血液センターでは行っていません。しかし、2008年まではセンターの3階フロアで行っていました。
3階は現在、書類や物品の保管庫として使われており、普段廊下は暗く、当時の記憶を留めるものは壁に貼られた血液成分の説明パネルだけです。でもそれでは少しもったいないので、今回、白く長い廊下に、血液事業の色々な資料を並べてみました。この資料をもとに、以前ここで実際に製造を担当していたスタッフが検査と製造の説明をします。
さて、このセンタースタッフを巻き込んでの実習が彼らに届いたのか、あるいは私の『血液事業を理解する一番いい方法は実際に参加してみること』の一言が効いたのかは定かではありませんが、多くの学生さんが実習の中で献血をしてくれました。ありがとうございました。
なお、私の一言には続きがありますので、蛇足ですが書かせていただきます。
『献血はあくまでも献血で、強制はいけません。でも献血をしない理由が私と同じなら、是非献血をしてみることをお勧めします』
私の理由は容易に想像できるかと思いますが、一応2020年5月のコラムに書いてあります。
若者は頼もしいです。

岐阜県赤十字血液センター

所長 髙橋 健

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