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所長コラム

所長コラム(令和5年12月)

【AB型Rhマイナス】

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Rhマイナスという血液型のことを聞いたことがある方は多いのではと思います。今回はこの話です。

 

輸血に関係する赤血球の血液型にはABO型とRh型があります。輸血を行う場合は原則としてこの型を合わせます(*1)。

 

日本人の血液型の割合は、ABO型ではA型4割、O型3割、B型2割、AB型1割。Rh型ではRhプラスが99.5%、Rhマイナスが0.5%です。ここから計算してAB型のRhマイナスは2000人に1人、一番少ない血液型です。一番多いA型Rhプラスが2000人中800人であることに比べると少なさが際立ちます。

 

さて、岐阜県赤十字血液センターにこのAB型Rhマイナスの供給依頼が入りました。

Rhマイナス血液は、急な場合に備えて常に一定量ストックしています(*2)。しかし、赤血球の有効期限は28日なので、どんどん貯めておく訳にもいきません。このため不足が予測される場合は電話で献血協力をお願いします。

 

血液センターのAB型Rhマイナス献血者リストから電話を掛けます。スタッフからその中の一人について私に相談がありました。薬を飲んでいるとのことで献血ができるかどうかの確認です。人数が限られた候補なので一人一人が大事です。電話でお話を伺ったところ、内服はしているけれど体調は安定しているとのこと。薬剤と疾患の基準から可能と判断しご説明したところ、快くご了解いただき日を決めて献血ルームに来ていただくこととなりました。

 

献血当日、終了後にお話を伺いました。

 

初めて献血されたのは結構年齢が高くなってからで、その時に初めてRhマイナスであることを知ったそうです。その後は機会をみてときどき献血しておられましたが、電話で依頼を受けたのは今回が初めてとのことでした。

 

お住まいは奥美濃の郡上市、郡上八幡よりさらに北の小さな町。そこから車で約2時間かけて献血ルームまで来ていただきました。Rhマイナス献血者の気概を感じました。

 

血液センターからお願いして来ていただいたのですが、申し訳ありませんが交通費は自前です。でも、クリスマスも近いこの日、献血のついでに岐阜にお住いの娘さんのところに寄られるとのこと。もうすぐ誕生日の2歳のお孫さんの笑顔がきっと一番のプレゼントということでご容赦願います。

 

またこの日は、寒いけれども見渡す限り雲一つない青い空が広がるドライブ日和であったこともお越しいただくには幸いでした(写真上)。

 

しかしさすがに12月、その数日後には奥美濃は雪に包まれました(写真下)。

 

皆様良いお年をお迎えください。

 

 

岐阜県赤十字血液センター 所長 髙橋 健

 

(*1):一部には血液型が異なっても輸血はできる場合もあります。

(*2):ストックは東海北陸7県をまとめる東海北陸ブロック血液センター中心に行われます。

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