鳥取県骨髄バンクを支援する会 大江淳史さん
【突然の白血病宣告】
今から9年前の55歳のとき、毎年受けていた人間ドックで「急性骨髄性白血病」の診断を受けました。自覚症状が全く無かったので、まさに青天の霹靂。さらに「無治療なら余命4か月、抗がん剤が効きにくいタイプなので骨髄移植をしなければ助からない」との厳しい宣告。いきなり死を覚悟しながらの、先の見えない闘病生活に入りました。
【命を繋げてくれた輸血と骨髄移植】
約10か月の入院中に受けた輸血は、赤血球44回・血小板70回にも及びました。それまでに自分がしてきた献血をはるかに超える大量の輸血になりましたが、その1回1回が私の命を確実に繋いでくれ、「自分の献血もきっと誰かの命を救ってたんだなぁ!」と再確認をすることもできました。
幸いなことに、骨髄バンクを通じて、フルマッチしたドナーさんからの提供で骨髄移植をすることができました。その後周りの誰もが驚くほどの順調な回復をして、移植から8年を経た今、以前とほとんど変わらない生活に戻っています。ただ、血液型はOからAに、血液中の性染色体はXYからXXに変わりましたが...。
【感謝の気持ちを伝えたくて】
たくさんの人たちに支えられて、私は命を救っていただきました。家族・友人・医療関係者の方々には感謝の気持ちを伝えることができても、献血をしてくださった皆さんと骨髄ドナーさんには、残念ながら直接的には「心からのありがとう」を伝えることができません。
移植後1年のうちに、骨髄バンクを通じてドナーさんと患者との間で許された2往復だけの手紙。私は、移植から3ヵ月後の退院時と、11ヵ月後の復職時に、ドナーさんと手紙の交換をしました。できる限りの感謝の気持ちを伝えたかったのですが、やはり言葉では言い尽くせませんでした。もっともっと感謝を伝えたかったと、今でも思い続けています。
皆さんの善意で命を助けていただいた御礼に、間接的にでも何か自分ができることをしたいと思い、骨髄ドナー登録説明員の資格を取り、登録会に参加させていただくほか、地元の公民館・学校・血液センター等で、白血病の闘病体験談とともに、献血推進・骨髄ドナー登録推進のための活動をさせていただいています。一人ひとりの善意が誰かの命を救う献血や骨髄ドナー登録、この素晴らしい制度の推進に少しでも役立つことで、自分なりの恩返しを続けていけたらと思っています。
この「ありがとうの声」は、私にとって、ドナーさんに対して感謝と現況を伝える3通目の手紙でもあります。ドナーさん、そして私の命に関わっていただいたすべての皆さん、本当にありがとうございました。