有田 茂雄さん
私は今週をもって満70歳になり、献血を卒業します。まるで、川嶋あいの「旅立ちの日に」の心境です。仲間たちはいませんが、私が献血をしていることを知っている人達が仲間かもしれません。何も考えず、他県に転勤した時もかかさず献血をしました。趣味の領域を越えライフワークになり、いつも献血日が近ずくとそわそわしておちつかなくなります。前日、当日は趣味のランニングをウォーキングに変え、食事については脂分を避け、鉄分の多い豚レバーやほうれん草をいただき、タンパク質は吸収の良いプロテインを摂取し、万全の体勢で臨みますが、指に小さな切り傷ひとつあれば感染症の可能性がありできません。おちおちケガもできません。まあ、あまり神経質になると血圧が上がり、脈も速くなります。常に沈着冷静に心を穏やかにして献血をしたいものですね。
もう、あれから45年の月日が経ちました。多くの都府県の血液センターの先生方、看護師さん、受付の方、そして妻、子、孫、母に支えられ800回の大台を達成できました。感謝以外に言葉が見つかりません。心からそう思います。
昨今 、若い方の献血者が少ないといわれていますが、LINEのサイトに「献血大好きな人集まれ」とあります。私が入った頃はメンバーが150人ぐらいだと思いますが、今や418人と全国の若い方も多く参加されています。中にはドクターやナースの方もおられ、適切な助言を発信されています。気軽な投稿サイトですが、以前私が1,000回以上されている方は全国に何人かおられますよと、投げかけたら「回数ではない」とか「すごい」とか全く反対の反応がありました。私も複数回献血者ですが、回数が多い人が素晴らしいと言っているのではなく、事実を発信しただけで、心外でした。みな、献血の大切さを思う気持ちは同じで、献血をする情熱が大切です。
島根県でも島根県立大学出雲キャンパスでは、2つの学生サークルが「キャンパスライオンズクラブ」を立ち上げました。その一つに、「あかえんぴつくんキャンパスライオンズクラブ」があります。献血や骨髄バンクの推進を23年間行い、全国の社会教育活動を対象にした「SYDボランティア奨励賞」で最高賞に当たる「文部科学大臣賞」を受賞するなど普及啓発に取り組んでいます。また、島根大学献血推進サークル 「ぐっぱ」も、6月14日の世界献血者デーに安全な血液製剤の必要性を啓発し、自発的かつ無償の献血にご協力をお願いしますと積極的に活動しています。
若い方の血が、輸血、製剤には欠かせません。もっともっと多くの若い方の力が必要です。是非今からでも遅くはありません。血液センターに足を運んでください。
今後は、献血の啓発、推進に力を注いで行こうと思っています。ありがとうございました。