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所長コラム

所長コラム(令和2年9月)

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高校献血
 

 まず最初に、このコラムの(少数の)読者の皆様にお知らせすることがあります。前回コラムで華々しく予告した新たな献血企画を検討するために、天気の良い土曜日の午前と午後、予定会場に行ってみました。あれれ(!)。午前はまばら、午後は周辺を歩いてみると人は増えて来たけれどバスの予定の広場には数人が座っているのみ。以前この広場に人があふれていたのは、やはり何らかのイベント開催時であったのか。それではと、献血者を増やすための次善の策として、あらかじめ協力団体に依頼して来ていただくことも考えてみたが、今度は有料の駐車場がネックとなる...。

 8月の灼熱に浮かされた頭では、すでに協賛を相談した皆様には快く同意いただいており、献血バスを持ってきて、その日のために誂えた幟旗を上げて、ついでに赤や白のヘリウム風船も浮かべて献血を呼び掛ければ上手くいくような気がしていたけれど、9月になり、髪も短くして涼しくなった頭で考えてみると、献血はそれだけで協力していただけるイベントとするには無理がある。浮かぶのは、新調した幟旗の横で呆然と立ち尽くしている姿、という訳で、儚くも新たな企画は中止とさせていただきました。しかし、安定して病院に血液を届けるために常にどこかで献血をお願いしていますので、是非皆様ご協力をお願いいたします。

 

 企画の仕切り直しのためにも、いろいろな献血の実際を知ることが大事と考え、今回、高校にバスで訪問する高校献血に参加しました。新型コロナウイルス感染の影響で例年に比べて今年は高校献血が減っています。夏前の献血はすべて中止、秋についても授業の関係で実施を見送られる高校もあります。しかし、今回、通常は7月の予定を9月に変更して受けていただいた高山西高校に1泊2日で伺いました。

 高校に入るのは何十年かぶりなのですが、まず会場準備のために校舎を歩いていると生徒さんがはきはきと挨拶してくれます。検診医は通常はバスの中で検診をするのですが、今回は理科実験室を提供いただき、受付と検診を行いました。2年生と3年生が対象で、写真は男子の受付の様子です。でも実際は、より多くの女子の生徒さんに献血に参加していただきました。2年生は16歳と17歳、全員が初めての献血です。問診に笑顔で答えてくれますが、脈拍が速かったり、実はやや緊張気味です。私も献血の先輩として初めての献血の不安は知っていますので(5月コラム)、高校の様子など聞きながらリラックスに努めつつ検診しました。

 コロナの影響で海外に行くはずだった修学旅行は中止。文化祭も体育祭も中止、それでも夏前のリモート授業より、通学できる今の方が楽しいとのこと。修学旅行など高校生活の思い出に残る様々な行事の代わりに献血では割が合わないかもしれないけれど、今回の経験が、将来、またどこかで献血バスを見かけた時、献血しようかと思う気持ちにつながることを願いつつ、2日間の献血を終えました。

 実は理科実験室で検診を行っている間じゅう、ずーっと気になっていたことがありました。科学や物理の実験器具や顕微鏡とともに、検診の机からかなり遠いところの棚の奥に生物の標本瓶が数個見えていたのです。その方向は極力避けていたことと、やや視力が落ちた私にはその距離からははっきりしませんでしたが、私の苦手な長いもの(ギャッ)のようにも見受けられました。ついに勇気を出すことはなくその一角には近づかないまま高校を離れました。今回勇気を出してくれた高校生の皆さんに改めて敬意を表します。

  

岐阜県赤十字血液センター

所長 髙橋 健

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