『岐阜献血ルームアクティブG』オープン(後の記憶に)
今回も『岐阜献血ルームアクティブG』の話で恐縮です。1年後か5年後か、後の記憶のためここに書き留めさせていただきます。
3月22日(水)午前10時過ぎ、『岐阜献血ルームアクティブG』開所式に臨んで、私の気持ちは昂(たかぶ)っていました。
その前日、3月21日は春分の日で休日、WBC準決勝で日本がメキシコと戦った日です。私は、にわか野球ファンの一人として自宅でTVを観て応援していました。しかし6回を終わった時点で3対0とメキシコがリード、侍ジャパンは何度もチャンスを作りながらも得点できず、流れはメキシコでした。にわかファンの身にも、すぐにあきらめる気弱さと、あきらめない強い気持ちが試される場面です。私は圧倒的に前者なのでTVを消そうと何度も思いました。
実は、WBCの盛り上がりの中で、少し前からWBC決勝戦とアクティブGルーム開所式がぴったり重なることに気づき、気になっていたのです。しかしこのメキシコの強さ、残念だけれどもこれで心静かに開所式に臨めそうと自分に言い訳しつつ、消すこともできずTVを見続けておりました。ところがまさか(失礼。侍ジャパンには想定内?)の逆転勝利。
と言う事で3月22日、開所式のためか、それとも太平洋を挟んだ別の大陸で時同じく進行している侍ジャパン対アメリカ決勝戦のせいか、判然としない昂りの中での開所式のスタートとなりました。
来賓の皆様も多くの方がWBCを気にしておられたのではと思いますが、皆様しっかりとお越し頂けました。午前10時30分、侍ジャパン3対1リードで、開所式が始まり、リードを守ったままつつがなく進行し、テープカット、そして内覧会に続きました。
さて、移転前の『新岐阜献血ルーム』では、高校生が献血した時に自分の高校の木に花シールを貼る『献血で愛の花を咲かせよう』活動を行ってきたのですが、これは『岐阜献血ルームアクティブG』に引き継がれました。写真は内覧会で、岐阜県学生献血ボランティアの高校生の一人がしっかりと説明役を務めてくれた様子です。
献血待合室の大型TVにはWBCが写っており、横目で少し気にされる方もおられる中で内覧会は続きました。
内覧会が終了し、来賓の皆様が帰られ、野球は9回、3対2と1点差まで詰め寄られていました。多くの学生ボランティアとスタッフが待合室に残っていました。そして大谷投手がトラウトを三振に討ち取り、侍ジャパンの優勝が決まった瞬間、そこはもはや献血ルーム待合室ではなく、スポーツバーでした。
願わくは、『岐阜献血ルームアクティブG』がこの開所式の日の記憶を刻み、若者が集う活気ある場となりますように。そして我々赤十字スタッフが、粘り強い諦めない心を持って、献血に邁進できますように。
皆さんにも盛り立てていただければ幸いです。
岐阜県赤十字血液センター所長 高橋 健