【 出番なし?】
先日、採血課の看護師が私に相談に来ました。
「献血バスのパーテイションが古くなったので新しくしたいのですが...」
何故、私に相談に来たかと言うと、話は約3年前に遡ります。
2020年、新型コロナウイルス感染の問題が始まった頃、献血バスではスタッフと献血者の間にパーテイションが付けられました。最初はスタッフが急遽作成したもので、大きなビニール袋を切って広げて端をテープで補 強してぶら下げたような、かなり簡易的なものでした。
それを見て登場したのが、自称『DIYのプロ?』の私です(あらかじめお断りしますが外部評価は諸説あり)。
大判の厚手透明ビニール袋(ゴミ袋)を購入し、バスでの正確な採寸をもとにカットし、四隅をハトメ(ブルーシートの四隅についているようなリング状の補強金具)でパンチして、バスに設置しました。(写真)
「お上手ですねえ」。お世辞とは分かっていてもそう言われて悪い気はしません。
さて、2021年頃には、業者によりバスにはしっかりしたロールスクリーンが設置されていました。しかし、一部付けられない場所があり、かなりくたびれてしまったお手製のシートがまだ使われていました。
そこで再び『プロ』の登場です。ゴミ袋はあくまで緊急用だったので、この時はビニールロールシート10m巻を購入し、正確にカットし、ハトメを6か所に増やしたアップグレード版を作成しました。かなりの時間を費やし、バス1台あたり3枚、計12枚を作成し採血課スタッフに渡しました。
そして2023年。実はバスのスクリーンに関しては、バスの空気は十分に換気されており、スクリーンは却って換気を妨げるとの意見もあります。しかし、5類になったとは言え新型コロナウイルス感染症の増加もみられる状況において狭いバス内での対面、スクリーンの意義も否定はできません。
このような時に看護師から受けたのが冒頭の相談です。
「新しくしたいのですが...、所長にお願いしていいものかどうか?」
さすがに、採血課スタッフも気を使って聞いてくれます。しかし『DIYプロ』が登場しなければ事は始まりません。
「大丈夫、実はこの時のために新しい10m巻ビニールシートもスタンバイしています。でも、会議やセンター外の仕事が立て込んでいるので少し待ってもらえますか」
「道具を貸していただければ自分たちでやってみます」
ということで、道具一式を渡したところ、約2時間後の午前の会議が終わった頃には、太かったロールシートはすっかり細くなって戻って来ました。聞くところによると、お裁縫の要領で、カットしてハトメパンチして10枚ほど仕上げたとのこと。
そーっとバスの様子を見てみると、上部が2か所だけきれいにハトメパンチされたパーテイションがちょうど良い具合に吊るされていました。6か所は過剰だったようです。
ということで『DIYプロ?』出番なし。淋しいような嬉しいような。静かに道具を道具箱に仕舞いました。
ただし、様々に現れる血液事業、特に、献血の課題に対しては、私の出番ありと信じて、頼もしいスタッフとともに引き続き出動中です。
岐阜県赤十字血液センター 高橋