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所長コラム

所長コラム(令和7年9月)

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【旗】 


血液センターではショッピングモールなどの献血の会場設営においてバスやテントの周りに献血会場を示す赤十字マークの旗を掲げます。
ある9月の日曜日のショッピングモールの献血会場、掲げられた旗が破れていました。
何も破れたものを掲げなくても、別にあるだろうと思いながら旗をみていましたが、青空のもと光を受けた旗を見ていたらシャッターを切りたくなりました。

   

大阪・関西万博の国際赤十字・赤新月運動館に、1枚の擦り切れた赤十字の旗が展示されています。
国際赤十字・赤新月運動館 - 大阪・関西万博
東日本大震災の時に、津波被害を免れた石巻赤十字病院は、発災から100日間で1万8千人以上の患者を受け入れ、地域の人々の命を守る「最後の砦」となりました。展示された旗は、当時、病院前に1ヶ月間掲げられ、「すべての患者を受け入れる」という赤十字の決意の象徴となった旗です。

   

もちろんこの震災医療を見守った旗とは比べるべくもありません。しかし、献血の旗は献血バスと一緒に県内各地を回り、会場ごとに、手ごろな支柱を見つけて紐で固定され、また解かれ、翌日は別の会場へ・・・多くの献血を見守った旗です。

   

ちなみにこの前日、献血バスはFC岐阜の試合会場、長良川競技場にありました。多くの人が試合開始までの数時間をイベントや屋台で楽しむ広場の傍らで、旗を掲げ、献血に協力いただきました。この日はずっと曇り空で、試合が始まる頃に雨となりました。サポーターの皆様にはあいにくの雨の応援となりましたが、FC岐阜が勝ったので良かったです。
さて、試合の開始は我々の撤収を意味します。雨の中の片付けとなりました。暗闇が迫る中、まず、パソコンなど濡れては困る情報機器を片付け、椅子や机や飲み物や記念品や扇風機、そして旗やテントなどを畳んだり箱に纏めたり、一部はバスの空きスペースに詰め込み、多くは少し離れた駐車場の機材運搬用車両に運び込んで慌ただしく撤収しました。

   

くだんの旗は休みなく続けられる献血の日々のどこかで裂けたものと思われます。
じっと見ていたら、陽の光を透かした旗が少し愛おしく思えました。

   

しかし、岐阜県赤十字血液センターとしては端正に努めたいと思います。
早速あの旗は回収を指示しました。
所長室に置こうかとも思っております。

   

    岐阜県赤十字血液センター 所長 髙橋 健

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