平成30年1月31日に開催された平成29年度第5回薬事・食品衛生審議会薬事分科会血液事業部会運営委員会において、輸血により、患者さんがE型肝炎ウイルス(以下HEV)に感染した事例が報告されました。
この事例においては、輸血に使用された製剤と患者さんの血液の双方から同じ遺伝子(塩基配列)のHEVが検出されており、製剤にHEVが混入した直接的な原因を特定することはできておりませんが、輸血に使用された血液を提供した献血者は、献血の2カ月ほど前に、HEVに感染するリスクのある行為(シカの生肉の喫食)があったことを確認しています。
以上の状況を踏まえ、輸血用血液製剤の安全性を確保するための当面の措置として、献血会場において、HEVの感染源と受血者への感染リスクを周知するとともに、HEVに感染するリスクのあるブタ、イノシシ、シカの肉や内臓を生又は生焼けで食した方については、摂取した時点から6カ月間は献血をご遠慮いただくこととしましたので、ご理解いただきますようお願い申し上げます。
なお、日本赤十字社では、HEVに対する安全対策として、前述の措置を講じるとともに、現在、北海道内で採血された献血血液に対して試行的に実施しているHEV検査を、国内で採血されたすべての献血血液に対して実施する方向で検討を進めています。