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骨髄バンクにおけるHLA適合度の評価

造血幹細胞適合検索サービスでは、患者さんとドナー登録者のHLA型の適合度が高い順に表示しています。HLA適合度は、これまで行われた骨髄移植の成績に基づいて評価され、良い移植成績が得られるように患者さんとドナー登録者のHLA型から評価します。

適合検索条件

患者さんとHLA-A座,B座,DR座の5抗原以上が一致しているドナー登録者が、HLA適合の対象者となります。適合するドナー登録者にHLA-C座の情報が登録されている場合は、C座も適合度に反映されます。

HLA適合度

患者さんとドナー登録者のHLA適合度はA座-B座-C座-DR座もしくはA座-B座-DR座で評価されます。

1.患者さんもしくはドナー登録者のHLA型表記が抗原型の場合

HLA型が抗原型で登録されている場合は、適合する抗原型が多いほど適合度が高くなります。その適合度の優先順位は[A座またはB座]>DR座>C座の順になっています。

2.患者さんもしくはドナー登録者のHLA型表記がアリル型の場合

HLA型がアリル型で登録されている場合は、適合する抗原型の数もしくはアリル型の数が多いほど適合度が高くなります。
また、抗原型及びアリル型の適合数が同じである場合、ミスマッチしている抗原型もしくはアリル型で優先順位が異なります。適合度の優先順位は[A座またはB座の抗原型]>DR座の抗原型>[A座、B座、C座、DR座の抗原型もしくはC座のアリル型]の順になっています。

HLAアリル型適合度評価はHLA型のタイピング方法によって異なり、「アリル型」もしくは「アリルコード」と表記が区分されます。その場合、適合度は[アリル型]>[アリルコード]となります。

表1. アリル型適合例
この表では、患者さんのHLAアリルを入力した場合を示しています。
患者タイプ 患者A A*24:02 患者B A*24:BC(24:02/24:03)
ドナー登録者タイプ アリル適合 A*24:02 --
アリルコード適合 A*24:BC(24:02/24:03) A*24:02 A*24:03
A*24:BC(24:02/24:03)
A*24:DB(24:03/24:10)
アリル不適合 A*24:03 A*24:DB(24:03/24:10) A*24:20 A*24:AAB(24:08/24:13)

赤字:適合アリル

HLA-A,B,DRB1の評価例

HLA-A, B, DRB1座の抗原およびアリルの適合パターンを下へ示しています。

表2. 適合検索結果例(HLA適合度別評価点の例)
ドナー
HLA型
患者HLA型 適合度
A*24:02,A*33:03
(A24,A33)
B*52:01,B*44:03
(B52,B44)
DRB1*15:02,DRB1*13:02
(DR15,DR13)
1 A*24:02,A*33:03 B*52:01,B*44:03 DRB1*15:02,DRB1*13:02 アリル適合
2 A*24:BC/A*33:03
(A*24:BC 24:02/24:03)
B*52:01,B*44:03 DRB1*15:AB,DRB1*13:02
(DRB1*15AB 1501/1502)
アリル適合&
アリルコード適合
3 A24,A33 B52,B44 DRB1*15:02,DRB1*13:02 アリル適合&
抗原適合
4 A24,A33 B52,B44 DR2,DR6 抗原適合
5 A*24:20,A*33:03 B*52:01,B*44:03 DRB1*15:02,DRB1*13:02 アリル不適合
6 A*24:20,A33:03 B*52:BC,B*44:03
(B*52:BC 52:02/52:03)
DRB1*15:02,DRB1*13:02
7 A*24:20,A*33:03 B*52:01,B*44:02 DRB1*15:01,DRB1*13:01

注:アリル適合=二重線(例:A*24:02)、アリルコード適合=下線 (例:A*24:02)、抗原適合=点線(例:A24)、アリル不一致=太字(例:A*24:20)