みなさんこんにちは!
第10回の<血液センターだより>は品質情報課が担当します。
前回の記事では、輸血とABO血液型の関係についてご紹介させていただきました。
ABO血液型は赤血球の血液型の一つであり、多くの人が一度は検査を行い、ご自身の血液型を知っているのではないでしょうか。
一方で、赤血球と同じ血液の成分である白血球にもHLAという血液型がありますが、あまり広く知られていないかもしれません。
今回は、HLAと血小板輸血の関わりについてご紹介します。
HLAはHuman Leucocyte Antigen(ヒト白血球抗原)の略で自分と他人(異物)を認識する目印となる役割があります。白血球抗原という名前ではありますが、白血球、血小板をはじめ体内のほとんどの細胞に存在しています。例えば骨髄移植などの際にもその適合性が治療に重要とされています。
通常の血小板輸血では、患者さんと赤血球の血液型(ABO血液型及びRhD血液型)が一致する製剤を選択します。
一卵性双生児を除き、全く同じHLA型の人はほとんどいないため、血小板輸血により異物と認識されることで、HLA抗体が作られ、輸血された血小板を破壊してしまうことがあります。
そのため、HLA抗体をもつ患者さんへはHLAを適合させた血小板(HLA適合血小板)が必要となります。
血液センターでは、医療機関からHLA適合血小板の依頼があると、登録されている献血者の中から適合する献血者を選択し、血小板献血をお願いさせていただいています。
血小板製剤の有効期限は4日と短く、治療の計画上患者さんが輸血する日が決まっているため、献血日を指定してご依頼しています。このような献血のお願いをさせていただきました際は、ぜひご協力くださいますようお願いいたします。