私は16歳になってから、親や兄妹がやっているのを知っていたので、自分もやろうと思って献血を始めました。
輸血が必要な人がいる、その人たちの役に立てるならと思ってやっていました。仕事も医療従事者になり、献血の必要性も分かっていました。
しかし、私は、家族の病気を機に、献血・輸血の必要性というより、重要性を痛感させられました。
私の娘は4歳で小児がん(神経芽腫)を発症しました。
元気な娘が小児がん。
発症前、体に麻痺が出て、食事もできなくなり、3歳で体重が約5kg減少。
何かがおかしいと病院を渡り歩くも、診断はつかず。
専門病院へたどり着けたときには、頭部にできた癌は、頭の外から肉眼で確認できるたんこぶのように外へ飛び出してきていました。極度の貧血も起こしていました。
そこから、小さな体で、抗がん剤治療、放射線治療、陽子線治療、移植と治療をしました。
治療によって弱り、血液を作りだす力がなく、たくさんの輸血をしました。赤い輸血(赤血球)と黄色い輸血(血小板)を繰り返しました。鼻血が出始めると、大量出血で約1時間は止まりませんでした。
出血もそうですが、血が足りなくなると、「ママ遊ぼう」「〇〇食べたい」も言わなくなり、一番元気なさかりの年齢なのに、ベッドに横たわってぼーっとしていました。
入院生活の中で、幼い娘でも輸血をすると体が楽になることを知ったようで、「今日は赤色?」「今日は黄色?」と言うようになりました。
退院後も輸血生活は続きましたが、輸血に助けてもらいながら、娘が常に口にしていた「家族でまた旅行行きたい」「保育園へ行ってまた友達と遊びたい」という目標は叶いました。
そんな娘も今は小学2年生です。同年代と同じようにとはいきませんが、小学校へ通い、勉強しお友達と遊んでいます。
私は、献血・輸血の重要性を娘の病気を機に、強く感じるようになりました。
献血してくださる方へ、一人一人にお礼を言いたいくらい感謝の気持ちしかありません。
今、こうやって、家族が笑顔で過ごせていることは、献血してくださった方々のおかげだと思っています。ありがとうございます。