20年前、血液疾患の私とお腹の赤ちゃんの命を、たくさんの人々の善意の献血で救っていただきました。
入院中は、悪化し続ける血液検査の結果に、いくら強く明るく持ち直そうとする心も、打ち砕かれる毎日でした。
恥を忍んで申せば、不安を通り越して恐怖しかなく、母親になるというのに、こんなにも弱い人間であったのかと、何よりも、お腹の赤ちゃんに申し訳なく、自分を真底情けなく思いました。
妊娠後期には、赤血球と血小板の成分輸血の治療が始まり、帝王切開にて、元気な女の子を出産することができました。
お陰様で、娘は、来春成人式を迎えます。
医学や輸血の技術の進歩がなければ、娘も私も、命を落としていたことでしょう。
現代に生まれ、今こうして生かされているという幸運を、心から感謝します。
そして、何よりも、献血をしていただいた方々に伝えたい「ありがとうございました」と。
これからも、皆さまのあたたかなお気持ちが、多くの人々の窮地を救うと信じております。
最期に、皆さまの御健勝と御多幸を、陰ながら祈念致しております。
「ありがとうございました。」