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ありがとうの声

献血に助けられた一人として

 20歳の大学時代、突然の体調不良に襲われ、急性前骨髄性白血病と診断されました。それまで大きな病気をしたことがなかったため、悪い夢でも見ているような感覚のまま、緊急入院し、闘病が始まりました。治療では薬の副作用に苦しみ、検査の痛みに耐える日々。それでも、家族や友人、そして医療関係者の支えがあったからこそ、乗り越えることができました。

 輸血は、そんな治療の最中に受けました。自分の中に誰かの血液が入っていく。そのことにありがたさを感じる一方で、「こんな治療が必要になるほど、自分の状態は悪いのか」と、不安と恐怖が押し寄せたのを覚えています。

 退院後、輸血を受けた私は献血ができません。受けた恩を献血という形で返せないことを歯がゆく思うことがあります。そのため、献血に協力してくださる方々が、どれほど尊いことをしているのかを、より強く感じるようになりました。最近では、献血ができる場所がわかりやすくなり、多くの人が協力しやすい環境が整っています。定期的に献血を続けている方もいると聞きます。

 各所で献血をする人々の姿を見かけることがありますが、皆さんは決して特別なことをしているという態度を見せるわけではありません。だからこそ、伝えたいのです。皆さんの血液は、病院の深刻な現場で命をつなぐために大切に使われています。そして、皆さんの善意によって救われた患者や家族が、どれほど深い感謝の気持ちを抱いているかを、ぜひ想像してみてほしいのです。

 献血ができるということは、健康である証でもあります。その健康がこれからも続き、献血という尊い行為に誇りを持っていただければと思います。

献血に協力してくださるすべての皆さんへ――

   「あなたの血液が、確かに誰かの命を救っています。

         私も助けられた一人です。本当にありがとうございます」                     

                                     福田邦夫

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