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LOVE in Letter

患者とドナーをつなぐ"架け橋" -造血細胞移植コーディネーターのお仕事とは-

患者さんとドナーの双方に寄り添う「造血細胞移植コーディネーター」の方に移植医療への想いについて伺いました。
広報誌「BANK!BANK!_Vol.35」

このページは、広報誌「BANK!BANK!」のVOL.35(PDF:14.3MB)に掲載したインタビューについて、誌面に収まらなかったエピソードを追加して再編集しています。

プロフィール

本間 祥子さん
東京都立駒込病院 血液内科 造血細胞移植コーディネーター

2023年、日本造血・免疫細胞療法学会認定HCTC取得。
趣味は散歩 ランニング 美術館めぐり。

造血細胞移植コーディネーターはどのようなお仕事ですか?

移植を受ける(検討中の)患者さん・ご家族、血縁ドナーさんへの情報提供や意思決定支援、非血縁ドナーさん(骨髄バンク・さい帯血バンク)の調整をメインに行っています。移植に関する相談窓口としてさまざまな相談を受けますが、より専門的な支援が必要と判断すれば他部署・他の専門職へ繋いでいく役割も担っています。また、対患者・対ドナー業務の他、院内外の関連部署・関連機関との連絡調整も行い、移植医療が安全に・円滑に進むようにマネジメントしていくこともコーディネーターの大切なお仕事です。
その中でも、移植を受ける患者さん・ご家族、幹細胞を提供してくださるドナーさん・ご家族の率直な気持ちをしっかり聞き、寄り添うことを大事にしています。そして、納得して治療の(提供の)選択をすることができたと思っていただけるように、単なる情報や選択肢の提供だけにとどめず、それぞれが考えて決めていく過程を継続的にサポートできるように心がけています。
特に患者さんに対しては、発症を告知された当初は大きなショックを受け、ふさぎこんだり「誰とも話をしたくない」と思われることもあります。そんな時は病棟に「ちょっと顔を見に来ただけ」などと言いながら足しげく通って、少しずつ話ができるきっかけを探すようにしています。

造血細胞移植コーディネーターを目指したきっかけを教えてください。

もともと血液内科の病棟で看護師として働いていました。その中で、移植を受ける患者さん・ご家族と関わるようになり、「移植」という大きな治療を乗り越えていくためには多くの職種や関係機関が協力しながら患者さんやご家族を支えていく必要があることを強く感じるようになりました。 また、移植は精神的にも身体的にもつらい治療と言われています。移植を受けるかどうか決める段階から、退院して通院フォローとなった後まで、患者さんに寄り添うことができるコーディネーターという仕事に魅力を感じ、コーディネーターを目指すようになりました。
コーディネーターになって、1つの移植が成立するまでに、院内・院外のたくさんの人たちが関わっていることを改めて感じました。異なる場所で、いくつもの事象が同時進行で調整されていく場面を目の当たりにして、移植医療の奥深さを感じました。今でも、たくさんの方たちの協力なしではできない治療であることを実感しながらお仕事をしています。
また、移植に対する思いや考えは患者さんごとに異なっており、抱えている悩みや不安も多種多様であることを強く感じています。

お仕事の「やりがい」はどのようなところでしょうか?

患者さんやご家族からは「ドナーさんがみつかるか」という不安や「移植という大変な治療を乗り越えることができるかどうか」という不安が多く聞かれます。一方でドナーさんからは採取の合併症(痛みの程度やその他の症状)に関する不安やお仕事や学校行事との日程調整に関する質問を多くいただきます。 患者さん・ご家族、ドナーさんの「心配」や「不安」に耳を傾け、共感しながら関わり、医療者として正しい知識や情報源を提供するように心がけながら、どんな時も近くで見守る姿勢を持ち続けることも、この仕事の難しさであり、大切な側面であると感じています。
そして、移植を受けることに大きな恐怖心を抱え、長い間思い悩んでいた患者さんが、無事にドナーさんが見つかっていく過程を通して、治療へ向かう覚悟を決められたことがありました。患者さんの気持ちが不安や恐怖から希望へと変わっていくことを傍で見守り、支えることができることは、この仕事のやりがいの1つだと思います。「ドナーさんが頑張ってくれるんだから、自分も努力しないと」と心を決めたり、つらい治療の中で、さい帯血を提供してくださったお母さんがいることを思って頑張れたという患者さんもいらっしゃいました。

心に残っているエピソードや言葉はありますか?

入院当初はふさぎ込んでいたい高校生の女の子が、移植を終えて退院する際に「治療は大変だったけど、ドナーさんや病院のスタッフさんたちから"人の気持ちのあたたかさ"みたいなものを教えてもらえた気がします」と言ってくれました。非血縁のドナーさんと患者さんは、お互い顔が見えない同士ですが気持ちは伝わるんだ、と実感しました。

ドナー登録やさい帯血提供について検討される方へメッセージをお願いします。

移植を受ける患者さんやご家族にとって、ドナーさんの存在は光のようなものだと思います。
同じくドナー登録やさい帯血のご提供について、考えて下さる方たちがたくさんいるということも、患者さん・ご家族の希望の一端となりえるはずです。しかし、実際にドナーとして細胞をご提供いただくためにはいくつかのステップがあり、誰もが容易にできるものではありません。もしも少しでも興味をもっていただけたなら、ドナーについて・さい帯血のご提供について、まずはどのようなものなのか、骨髄バンクさんやさい帯血バンクさんのホームページなどから情報収集することからはじめてみていただけるとありがたいです。

いま、あなたにできること