第42回日本血液事業学会総会を終えて
第42回日本血液事業学会総会を、関東甲信越ブロックが担当して、平成30年10月2日(火)から4日(木)まで、幕張メッセ国際会議場(千葉市)にて開催いたしました。直前に台風24号の影響を受けご苦労された方もいらっしゃったと存じますが、全国から1,090名の方々にご参加いただき、何とか無事終了することができました。ご支援ご協力を賜りました皆様に厚く御礼申し上げます。
我が国の社会や医学・医療がめまぐるしく変化していく中で、血液事業も変革を迫られています。そのような認識のもと、「血液事業の持続と変革―カイゼンの先への挑戦」をテーマに開催された総会でしたが、10年、20年後の血液事業の在り方を考えていただくきっかっけになれば幸いです。
総会に寄せられた近衛社長のメッセージは心を打つものがありました。小澤敬也先生の特別講演「CAR-T細胞療法」は、総会前日に本庶佑先生のノーベル医学・生理学賞受賞が発表になり、ガン免疫療法の話は時宜を得たものになりました。新田正明先生の「山梨ワインの魅力」の講演も興味深いものでした。松尾豊先生の特別講演「AIの進歩」は、AI技術の目覚ましい進歩と今後の可能性を理解させてくれました。改善活動本部長賞候補演題やブロック血液センター所長推薦優秀演題の発表も、年々優れたものになっていると感じました。その他シンポジウム7題、ワークショップ5題、教育講演7題、共催セミナー12題、一般演題310題も、いずれもが大変興味深いものでした。参加されたみなさんが熱心に研究発表、討論、情報交換をしてくださったことに感謝申し上げます。総会のもう一つの目的は、普段お互いに会う機会の少ない会員同士の交流の機会を提供することですが、会員交見会をはじめ会場内外で親睦を深めてくださったことと存じます。また、新しい試みとして、新進気鋭の若手演奏家に室内楽を演奏していただきましたが、楽しんでいただけたでしょうか。
来年の第43回総会は10月2日(水)から4日(金)の日程で、仙台国際センターにて開催されます。来年また仙台でお会いできますことを願っています。
第42回日本血液事業学会総会
総会長:中島 一格
(日本赤十字社関東甲信越ブロック血液センター所長)