当時小学校の卒業式を目前に控えた娘に告げられた小児がん。治療は順調に進みましたが、抗がん剤は正常な血球もどんどん壊していきました。ある朝、病棟の洗面所で歯みがき途中に倒れ、とうとう「もう輸血をしましょう」と主治医から説明がありました。
私自身は献血100回以上のベテランですが、いざ自分の娘が輸血を受けるとなると話は別。
万が一の副作用などを考えると、どうしても不安がありました。いよいよ輸血が始まると、顔色が戻り、どんよりしていた表情も戻りました!「輸血を受けるとこんなに違うんだ」と驚きました。それから娘は、抗がん剤治療を完走するまで何度も輸血に助けられ、無事ゴール、寛解して退院することができました!
最近献血前の問診が細かく、厳しくなったと思っていましたが、実際に家族の立場に立ってみると、この厳格さは安全を担保するうえで必要不可欠なのだと実感しました。
娘は輸血の恩返しに、自分も元気になったら献血してみたいと話していましたが、それは叶わないと知るととても残念そうでした。娘の想いの分も、これからまた母である私が貢献していきたいと思います。
2025年8月24日 宇田薫子さん・華都さん