福岡 久佳さん
輸血を受けて優しくなった父。
父が胆管がんになり、血小板の輸血を受けていました。
「入院中は暇だろう」と思い、無料通話アプリを利用してずっとやりとりをしていました。
父は、優しく強い人でした。昔から何でも1人でこなそうとする人だったので、誰かに頼ったり、弱みを見せたりする姿を見た記憶はありません。
父と話すのは何だか気恥ずかしく、たわいのない話はできても心境などは聞けていないので、ハッキリそう聞いたわけではありませんが、「輸血で人に救われていること」と、「助けられている自分」に戸惑いを感じていたようです。
輸血を受けた父は何だか優しくなり、それからは自分の失敗談を話してくれることもありました。
父の命日から約1年後、たまたま血液センターの方と接する機会があり、「父が会わせてくれた縁なのかな」と感じています。
人生で初めての献血もしました。献血するまでは怖いイメージがありましたが、案外そうでもなく、「これならこれからも献血を続けていけるんじゃないかな」と考えています。