血小板は、酸素供給量が充分な場合には好気的解糖によってエネルギーを得ていますが、酸素が不足すると嫌気的解糖が進み、採血バッグ内に乳酸が蓄積します。血漿中の重炭酸(HCO3-)は緩衝作用を持ちます(図1)が、乳酸産生がこの緩衝能を超えると血漿pHは急激に低下します1.~3.。
pHの低下は血小板機能に大きな影響を与え、特に血漿のpHが6.04.ないし6.22.以下になると、輸血効果が低下することが報告されています(図2)。
濃厚血小板を振盪保存することにより、血小板の周りの乳酸は拡散し、また採血バッグを通してガス交換が促進されますので、pHの低下は抑えられます(図3)5.。その結果、血小板の機能は良好に保たれることになります。
血液センターでは、医療機関へお届けする直前まで濃厚血小板を振盪器で保存しています。振盪保存ができない場合は、お届け後できるだけ速やかにご使用下さい。