I・Nさん
【手術を輸血で乗り越えた母】
大きな病気をしたことがなかった母が6年前に心臓の難病にかかりました。
緊急入院した直後は根本的な治療ができない状態で、2時間におよぶカテーテル治療でなんとか一命を取り止めました。その後主治医の先生方をはじめ看護師、理学療法士さんたちの懸命なサポートのおかげで2カ月間の入院期間を経て、ようやく手術を受けることとなりました。しかし当時その病気は全国でその手術を受けられる病院が数か所と限られていて、母は県外の病院へ転医して手術を受けることになりました。手術前に自己血を貯血できる状態ではなかった母が、12時間におよぶ大手術を受けるには多くの血液が必要でした。顔も名前も知らない多くの方が善意で献血してくださった血液製剤によって、母は手術に臨むことができました。手術から1カ月ほどして退院した母は、今では元気に自分の足で歩いて買い物や病院への通院ができています。
私自身も過去に献血をした経験がありますが、母の輸血を通してこれまで以上に献血の大切さ、ありがたさを実感するようになりました。職場や近所で献血バスが来ると聞くと同僚や知人に協力を依頼したり、県外に行くと献血ルームはどこかなと気になったりするようにもなりました。
献血された血液の利用方法は、治療や薬品開発の進歩により以前とは変化しつつあると聞きますが、献血によって救われる命があることに変わりはないと感じています。これまで献血をしてくださった方、これからしようと考えている方へ「ありがとう」と心から伝えたいです。